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●復活してコンスタントにライヴを行うようになって暫く経った頃に、ロッテンオレンジの復活が決まり、そこからのリリースに向かうわけですね。
LARRY「ちょうど、沖縄で(ガーリックボーイズと地獄車が)一緒にライヴしている時かな」
下條「そうですね」
LARRY「最近の中で2回目の時。(横山)健くんから電話があって。そんな時にこの話が出たから、もう地獄車を出すしかないでしょ。打ち上げの飲み屋に行く前だったけど、すぐにリョウジンにやりましょうって言いましたね。乾杯して2杯目で(笑)」
リョウジン「ロッテン再開って聞いて、おめでとうございますって。俺らは関係ない話だと思っていたんですけど……」
LARRY「エントリーしてるからねって言いました」
●え、健さんから電話があったのが、沖縄で地獄車と一緒にいる時だったんですか?
LARRY「そうです、偶然」
●それは凄い! LARRYさんは、ロッテンを復活したいとは思っていなかったんですか?
LARRY「全くないです。っていうか、考えていなかった。自分らのリリースはピザからっていうのもあったし、自分らのバンドをやってんのでいっぱいっていうのもあったし」
●じゃあ、健さんからアイディアを振られて、驚いたんじゃないですか?
LARRY「驚きますよね、そりゃ」
●すぐにイエスって言えました?
LARRY「サポート的なことを、ピザ・オブ・デスがやってくれるっていうのはわかっているんで、大丈夫かなって。自分一人だったら、バンドをやりながら、今のペースじゃ厳しいんでね。一瞬で条件を考えても、これはやれんじゃないかなって。そこにいた地獄車も、ライヴが凄く良くなっていたんで、みんなに聴かせたいっていうのもあったしね。ライヴを誘おうって思っても、沖縄は遠いし、仕事もあったりで、なかなか難しいけれど、CDを出せば、一気にたくさんの人に聴いてもらえるじゃないですか。彼らはいろんなことを知ってるし、僕のやってきたこともわかってくれているし」 (↗)
●復活してから、何度か共演して見てきた上で決めたんですよね。
LARRY「もちろんもちろん」
●復活前と復活後って、LARRYさんから見て変化ってありましたか?
LARRY「まあ、最近バットを折る感じが減ったかな(笑)」
下條「そうですね。キツくなりました(苦笑)」
●地獄車サイドとしては、ロッテンからリリースを誘われた時、どんな心境だったんですか?
リョウジン「ちょうど、自分たちでも音源を出そうかなって話していたんです。それがロッテンから出せることになって、渡りに船というか、こっちからお願いします!っていう」
●しかもロッテンの復活第一弾リリースっていう、記念すべきタイミングですしね。
下條「そうですよ。夢のような話二回目、っていう感じです」
●では、内容が再録ベストになったのは?
リョウジン「これはLARRYさんと僕らで、いろいろ話しましたね。新譜を出す話もあったんですけど、前までの音源が廃盤になっているし、今回入れた中には、新しめで、あまりみんなに知られていない曲もあるので」
マサ「あとライヴを最近見に来てくれるようになった子たちが、昔の曲を音源で持っていなかったり、手に入れられなかったりするので、もっとライヴを楽しめるようにっていうことで、ライヴでやっていて、メインになっている曲を入れました」
下條「僕も、音源が手に入らないのでどうにかなりませんかってしょっちゅう言われていたんですよね。そのたんびにブックオフ行けとかヤフオクで落としなさいって言っていたんですけど、でも、やっぱ新しく出した方がいいなって(笑)。『ヤフオクにあったんですけど、どうしましょう下條さん』『そんなこと自分で考えろ!』っていうやり取りも面倒になって(笑)。僕、昔の音源を自分で買ってファンに売ってましたからね! その分の値段で。それも面倒臭くなったんですよね」
●そこまでやっていたんですね! LARRYさんが再録ベストがいいと思った理由は?
LARRY「マサも1枚目2枚目弾いてないもんね。初期は模索している感じはあったけど、今のスタイルを決めているのはマサのギターなので、それをCDにして出したいっていうのはあったんですよね。あとガナハ君もいなかったし。今のライヴを見ていると最年少のガナハ君のドラムがメンバーの背中を後押ししている感じが非常に良いので。新曲っていうのじゃなくて、今までのレパートリーを今のメンバーがやってるものを、こっちが聴きたいっていうリスナー的思考もありました」
●それが、ロッテンからのリリースを決めるLARRYさんのポイントかもしれないですね。
LARRY「だって、いち早く聴けるんですよ。最高じゃないですか」 (↗)
●聴きたいものをリリースするというのは、昔からのコンセプトですか?
LARRY「今回からの方が、そこを深くできるかなって思っています。以前も今回と同じく、会社の中の一つのレーベルだったんで、いろんな段取りがあったんですけど、今の方が任せてくれる感じになりそうなので。レーベルを走らせてみないとわからないですけど、さらに、自分がファンで在れるバンドとやれるような気がしていますけどね」
●そんなロッテン所属バンドの共通点って、どういうところだと思いますか?
LARRY「さっき言った番外地感じゃないですか」
●それ、わかりやすいですよね。ここを住所にしていいよ、じゃないですけど。
LARRY「そうですそうです。ここをキャンプ地とする、ぐらいの感じかもしれないですけどね。住所とまではいかずとも」
●だから個性豊かなバンドが揃うんでしょうね。では、LARRYさんが今作で地獄車に求めたことってありますか?
LARRY「まずライヴ感しかないですよ。ライヴを見てリリースを決めたので、今の勢いをパッケージしたいっていう。それは、経験を積んでいるので言わなくても出来ると思っていましたけどね」
●意識しました?
マサ「しましたね。コーラス録りとかも」
下條「僕は、これしか出来ないっていうのがあったので。ライヴ感しかないっていう」
●今の自分たちのライヴ感を出せました?
マサ「そうですね。曲順とかも、そこを意識しています」
下條「最近のライヴでやっているような選曲ですね。LARRYさんからもそういう指令があって」
LARRY「取り敢えずリストアップしたものをリョウジンに送ったんですよね。これを叩き台にしてって」
下條「あとは、ライヴでそんなにやっていないけど、ガナハがやりたいっていう曲もあったよね。『マッスルファクトリー』とか」
ガナハ(Dr)「いや……」
マサ「リョウジンがやりたいって言ったんだよ(笑)」
下條「そっか。(笑)そういうふうに、これからライヴでやりたいって思った曲も入っているんですよね」
●今のメンバーの意見や個性も反映されていそうですね。
下條「再録なんですけど、前の曲をそのままはやっていないんですよ。っていうか大分アレンジしている曲もあるよね」
ガナハ「メタル寄りな叩きにはなっていますね」
下條「同じ曲でもテンポを上げていたり。ただの再録では終わらせないっていう意気込みもありましたね。同じタイトルで同じ曲名はずなんだけど、ちょっと違うぞと。今のメンバーのいいところを表現しているっていうか」
●そもそも、この4人の全国流通の音源も初めてですもんね。
下條「そうですね」 (↗)
●でも、ラウドなのにキャッチーっていう基本軸はずっと貫かれていますよね。
マサ「作曲の時は、サビから作るんですよ。下條が言葉を持ってきて、サビを作ってから取り掛かるんですけど、そこが地獄車のキャッチーさの一つの理由かと思います」
下條「それはマサが入ってからの曲作りだけど。それ以前はたまたまだと思いますけどね。マサが入ってから、凄くやり易くなりました。俺は楽器出来ないから、こんな感じの曲を作ろう、ドラムがドンドンドン、ギターがジャンジャンジャン、ベースドラムがベンベンベンって感じで伝えて、さあやりましょうと。そうすると、イメージと全然違うのが出来上がるんですよね。僕も面倒だから、もうこれで行こうってなっちゃって。でも、マサが入ってから、その行き当たりばったり感はなくなりました」
●一番最初に作った『ルチャバカ野郎』が、偶然の産物って考えると凄いですけど。
下條「そうですね」
マサ「そういう古い曲は、10数年の歳月を経て残っているので、それなりのものがあると思います」
●またタイトルの『地獄門』は入門編みたいな意味があるんでしょうか?
マサ「そうですね。これは私が付けたんですけど、この4人が地獄一門だというニュアンスと、地獄の門を開いてみなさんようこそっていうニュアンスもありますし。あとは、響きがカッコいいかなって」
●今作をリリースした後はツアーもありますが、復活してからもツアーはやっていたとは言え、アルバムを引っ提げてのツアーとなると、また気持ちが変わるんじゃないですか?
下條「そうですね。今度は自分らの看板で行くんで」
●バンドは、これからも継続していきますよね?
下條「はい。行きたい場所もありますし」
●では、この後のロッテンオレンジはどうなっていくんしょうか。
LARRY「リリースしたいバンドは2、3ありますよ。近く情報を出せるんじゃないかな。取り敢えず地獄車を出してみて、まだ手探りなんで、だんだん固めていければいいと思いますね」
Photo by 中嶋環
Interview by 高橋美穂
Vol.03 へ続く